2012年9月28日(金)9:40/郡山市民文化センター
<青森県>
県立五所川原高校音楽部(女声15名)
指揮/今敦子
ウィールクス「In black mourn I 喪服で弔い」
J.Lambrechts:Gloria
ウィールクスのテンポは遅過ぎるので、もっと軽やかなリズムと明るい音色を作りたい。自由曲も少人数で良くやっているとは思うが、そもそも選曲に無理がある。音色も変化せず、この遅いテンポではダレるのも当たり前。人数の少ない場合、生理的な面からも、テンポ設定は自ずと早くなる筈だ。
県立八戸東高校音楽部(女声30名)
指揮/原子こづえ
ウィールクス「In black mourn I 喪服で弔い」
パレストリーナ「Gloria」(Missa sine nomine)
エベン「De angelis」
ウィールクスには中庸のテンポのあり、英語の発音もそれらしくて悪くない。ただ、多くの団体が中間部で、同じようにテンポを落とす、同じような解釈を施すのは解せない。パレストリーナはマドリガーレっぽい明るさのあるのが良いし、テンポをクルクルと変えるのも面白い。エベンも軽やかな声で、音楽に押し付けがましさの無いのに好感を持つ。速いテンポで押し切る、爽やかな演奏だった。
県立弘前中央高校音楽部(女声16名)
指揮/神明博
パレストリーナ「Ego sum panis vivus 私は生けるパンである」
千原英喜「第三楽章」(唱歌)
この頭数でポリフォニーとして、一応サマになっているのはエライと思う。指揮者がリズムをキチンと把握していて、早口言葉の自由曲も良くこなした。ただ、緩徐部分でダレるのは、これはもう致し方の無い処だろう。
県立青森高校音楽部(混声18名)
指揮/小笠原聡也
パレストリーナ「Ego sum panis vivus 私は生けるパンである」
千原英喜「2」(おらしょ)
パレストリーナで半円一列に並んだのは効果的だったが、もう少しパートを個別に聴かせて欲しい。やや速目のテンポ設定はこれが正解で、この人数としては良くやったと思う。自由曲には美しいハーモニーのあり、大人数向けの曲を良くこなしたが、この頭数ならもう少しテキパキやるべきと思う。しかし、一日のコンクールの終わりに、こんな曲を長々と聴かされるのには、なかなか辛いものがあった。
<秋田県>
聖霊女子短大付属高校合唱部(女声35名)
指揮/金由加
瑞慶覧尚子「無門」(約束)
松下耕「Haec dies 主の御業の日」
課題曲は高音の伸びないのと、やや息漏れもあるが、その代わりに美しいソット・ヴォーチェと、丁寧な言葉の扱いがあった。自由曲も熱演だったが、声自体の輝きの伴わず、やや空回り気味。音色の変化で聴かせるべきで、このテの曲は声に力の無いと、聴かせ映えしないと思う。
県立秋田高校合唱部(混声16名)
指揮/吉原東吾
パレストリーナ「Ego sum panis vivus 私は生けるパンである」
Vytautas Miskinis:tu es qui venturus
可愛らしいパレストリーナだが、バスの殆んど聴こえず、最後しかハモっていなかったように思う。自由曲には情感のあり、テンポの切り替えも上手に出来て、なかなか良い演奏だった。
県立湯沢・横手城南高校音楽部合同(女声8名)
指揮/廣田俊介
ウィールクス「In black mourn I 喪服で弔い」
パレストリーナ「Adoramus te Christe/Jesu rex adomirabilis/Pueri hebraeorum」
そもそも、ウィールクスはこの位の人数でやるべき曲で、個人の力量も高く、適切なテンポ設定がある。但し、この団体にも今日何度も聴かされた、途中リタルダントしてから最後を速くする、判で押したような解釈があった。マドリガルなら誤魔化せても、パレストリーナではソプラノのキチンとした頭声に入っていないのはキズとなる。その弱点はモテットの一曲目で顕わとなり、三曲目辺りで修正されたが、やはりソプラノの目立ち過ぎでバランスは良くなかった。
県立大曲高校合唱部(女声16名)
指揮/鈴木智美
瑞慶覧尚子「無門」(約束)
コチャール「Teli alkony 冬の黄昏/Ne felj! 怖がらないで!/
Jo szanut,jo fejsze 良い橇の道」
課題曲で中音域は柔らかい声で歌えるが、高音部の固いのが耳に付く。コチャールをこの頭数でやれば、押し付けがましさの無くて楽に聴ける。マジャール語の世俗曲の楽しさの伝わる演奏で、こちらは声がハーモニーに溶け込んで、声に合わせた選曲だったと思う。
<山形県>
県立鶴岡南高校音楽部(混声54名)
指揮/阿部隆幸
ハウエルズ「Sing Lullaby 子守唄を歌え」
バークリー「Kyrie/Gloria」(五声ミサ)
ハウエルズはレガートなフレージングの中で、曲想の変化をセンス良く捉える、とても音楽的な演奏。バークリーでも横の流れを大切にする中で、やや声は固くとも情感に溢れるソプラノと、柔らかいアルトが美しいハーモニーを作る。指揮者には十人しか居ない男声の高い能力を生かし、曲の勘所を掴む音楽作りがあった。
県立山形西高校音楽部(女声64名)
指揮/吉田朋世
ピアノ/郷津由紀子
新実徳英「天使」(やさしい魚)
鈴木輝昭「幼獣の歌」(譚詩抄五花)
新実で曲に即した情感はあるが、音楽は横に流れるだけで、もう少し何かしらの変化も望まれる。鈴木でもパート内部の声の揃わず、対位法的な部分で団子となって終う。鈴木の曲を取り上げるなら、一定レヴェルの声の技術力の無ければ難しいと、再確認させられた。
県立鶴岡北高校音楽部(女声63名)
指揮/百瀬敦子
ピアノ/小野寺智子
瑞慶覧尚子「無門」(約束)
シューベルト「Gott in der natur 自然の中の神」D.757
課題曲では大人数の声の揃わず、雑然とした印象を受ける。伴奏ピアノが指揮のテンポに尾いて行けないのは、まあご愛嬌か。シューベルトでも横は揃わないが、縦はキチンと合わせた上で、レガートとマルカートを使い分ける、曲の摂理に寄り添ったフレージングがある。ドイツ語も良く勉強出来ているが、何よりこれが自分達のシューベルトと云う確信に基づく、ロマン派らしい決然としたカデンツァの立て方がある。自信に満ち溢れる、とても楽しい演奏だった。
県立鶴岡中央高校合唱部(女声20名)
指揮/松本光治
瑞慶覧尚子「無門」(約束)
Gyorgy Orban:Daemon irrepit callidus/O gloriosa/Lauda sion
課題曲は人数の少ない分、テキパキと進めている。オルバーンで三曲の歌い分けはキチンと出来たが、そもそも何処が演奏しても同じようになる曲で、何処かに個性の閃きも望まれる。それと自由曲をこれだけ歌えるのなら、もう少し課題曲も頑張って欲しかった。
<青森県>
県立五所川原高校音楽部(女声15名)
指揮/今敦子
ウィールクス「In black mourn I 喪服で弔い」
J.Lambrechts:Gloria
ウィールクスのテンポは遅過ぎるので、もっと軽やかなリズムと明るい音色を作りたい。自由曲も少人数で良くやっているとは思うが、そもそも選曲に無理がある。音色も変化せず、この遅いテンポではダレるのも当たり前。人数の少ない場合、生理的な面からも、テンポ設定は自ずと早くなる筈だ。
県立八戸東高校音楽部(女声30名)
指揮/原子こづえ
ウィールクス「In black mourn I 喪服で弔い」
パレストリーナ「Gloria」(Missa sine nomine)
エベン「De angelis」
ウィールクスには中庸のテンポのあり、英語の発音もそれらしくて悪くない。ただ、多くの団体が中間部で、同じようにテンポを落とす、同じような解釈を施すのは解せない。パレストリーナはマドリガーレっぽい明るさのあるのが良いし、テンポをクルクルと変えるのも面白い。エベンも軽やかな声で、音楽に押し付けがましさの無いのに好感を持つ。速いテンポで押し切る、爽やかな演奏だった。
県立弘前中央高校音楽部(女声16名)
指揮/神明博
パレストリーナ「Ego sum panis vivus 私は生けるパンである」
千原英喜「第三楽章」(唱歌)
この頭数でポリフォニーとして、一応サマになっているのはエライと思う。指揮者がリズムをキチンと把握していて、早口言葉の自由曲も良くこなした。ただ、緩徐部分でダレるのは、これはもう致し方の無い処だろう。
県立青森高校音楽部(混声18名)
指揮/小笠原聡也
パレストリーナ「Ego sum panis vivus 私は生けるパンである」
千原英喜「2」(おらしょ)
パレストリーナで半円一列に並んだのは効果的だったが、もう少しパートを個別に聴かせて欲しい。やや速目のテンポ設定はこれが正解で、この人数としては良くやったと思う。自由曲には美しいハーモニーのあり、大人数向けの曲を良くこなしたが、この頭数ならもう少しテキパキやるべきと思う。しかし、一日のコンクールの終わりに、こんな曲を長々と聴かされるのには、なかなか辛いものがあった。
<秋田県>
聖霊女子短大付属高校合唱部(女声35名)
指揮/金由加
瑞慶覧尚子「無門」(約束)
松下耕「Haec dies 主の御業の日」
課題曲は高音の伸びないのと、やや息漏れもあるが、その代わりに美しいソット・ヴォーチェと、丁寧な言葉の扱いがあった。自由曲も熱演だったが、声自体の輝きの伴わず、やや空回り気味。音色の変化で聴かせるべきで、このテの曲は声に力の無いと、聴かせ映えしないと思う。
県立秋田高校合唱部(混声16名)
指揮/吉原東吾
パレストリーナ「Ego sum panis vivus 私は生けるパンである」
Vytautas Miskinis:tu es qui venturus
可愛らしいパレストリーナだが、バスの殆んど聴こえず、最後しかハモっていなかったように思う。自由曲には情感のあり、テンポの切り替えも上手に出来て、なかなか良い演奏だった。
県立湯沢・横手城南高校音楽部合同(女声8名)
指揮/廣田俊介
ウィールクス「In black mourn I 喪服で弔い」
パレストリーナ「Adoramus te Christe/Jesu rex adomirabilis/Pueri hebraeorum」
そもそも、ウィールクスはこの位の人数でやるべき曲で、個人の力量も高く、適切なテンポ設定がある。但し、この団体にも今日何度も聴かされた、途中リタルダントしてから最後を速くする、判で押したような解釈があった。マドリガルなら誤魔化せても、パレストリーナではソプラノのキチンとした頭声に入っていないのはキズとなる。その弱点はモテットの一曲目で顕わとなり、三曲目辺りで修正されたが、やはりソプラノの目立ち過ぎでバランスは良くなかった。
県立大曲高校合唱部(女声16名)
指揮/鈴木智美
瑞慶覧尚子「無門」(約束)
コチャール「Teli alkony 冬の黄昏/Ne felj! 怖がらないで!/
Jo szanut,jo fejsze 良い橇の道」
課題曲で中音域は柔らかい声で歌えるが、高音部の固いのが耳に付く。コチャールをこの頭数でやれば、押し付けがましさの無くて楽に聴ける。マジャール語の世俗曲の楽しさの伝わる演奏で、こちらは声がハーモニーに溶け込んで、声に合わせた選曲だったと思う。
<山形県>
県立鶴岡南高校音楽部(混声54名)
指揮/阿部隆幸
ハウエルズ「Sing Lullaby 子守唄を歌え」
バークリー「Kyrie/Gloria」(五声ミサ)
ハウエルズはレガートなフレージングの中で、曲想の変化をセンス良く捉える、とても音楽的な演奏。バークリーでも横の流れを大切にする中で、やや声は固くとも情感に溢れるソプラノと、柔らかいアルトが美しいハーモニーを作る。指揮者には十人しか居ない男声の高い能力を生かし、曲の勘所を掴む音楽作りがあった。
県立山形西高校音楽部(女声64名)
指揮/吉田朋世
ピアノ/郷津由紀子
新実徳英「天使」(やさしい魚)
鈴木輝昭「幼獣の歌」(譚詩抄五花)
新実で曲に即した情感はあるが、音楽は横に流れるだけで、もう少し何かしらの変化も望まれる。鈴木でもパート内部の声の揃わず、対位法的な部分で団子となって終う。鈴木の曲を取り上げるなら、一定レヴェルの声の技術力の無ければ難しいと、再確認させられた。
県立鶴岡北高校音楽部(女声63名)
指揮/百瀬敦子
ピアノ/小野寺智子
瑞慶覧尚子「無門」(約束)
シューベルト「Gott in der natur 自然の中の神」D.757
課題曲では大人数の声の揃わず、雑然とした印象を受ける。伴奏ピアノが指揮のテンポに尾いて行けないのは、まあご愛嬌か。シューベルトでも横は揃わないが、縦はキチンと合わせた上で、レガートとマルカートを使い分ける、曲の摂理に寄り添ったフレージングがある。ドイツ語も良く勉強出来ているが、何よりこれが自分達のシューベルトと云う確信に基づく、ロマン派らしい決然としたカデンツァの立て方がある。自信に満ち溢れる、とても楽しい演奏だった。
県立鶴岡中央高校合唱部(女声20名)
指揮/松本光治
瑞慶覧尚子「無門」(約束)
Gyorgy Orban:Daemon irrepit callidus/O gloriosa/Lauda sion
課題曲は人数の少ない分、テキパキと進めている。オルバーンで三曲の歌い分けはキチンと出来たが、そもそも何処が演奏しても同じようになる曲で、何処かに個性の閃きも望まれる。それと自由曲をこれだけ歌えるのなら、もう少し課題曲も頑張って欲しかった。